お腹召しませ

okadajn2006-04-29

浅田次郎 著
発行所 中央公論新社
この本の表題にもなっている「お腹召しませ」ほか5つ短編が収録されています。著者が跋記で書いていますが、著者は子どもの頃から文学が好きで歴史も好きだったらしい。そういえばどの作品の始まりに祖父がでてきて昔の話をきいた著者がいます。自分が歴史小説を書くにあたり嘘と真実が歴史小説の中で何ら矛盾ない調和を苦慮したと言っています。
歴史的には決してあり得ぬ設定にも小説としてのテーマを読者に納得させていると私は納得しました。それにしても表題作の主人公が妻・娘に「お腹召しませ」と言われるその言葉の中に「父上は45でござりましょう」おお!さすが時代劇、でもショック!(????)さらに「女敵討」の本話の序に「時代とともに名簿から消えた「貞」の1字が、空想の端緒となった。」に心惹かれて読み始めたのはバーバだけでしょうか。